2月からの手紙

スマホから視線を下げると、短いスカートを履いた白くて細い脚がこちらを向いて立っているのが見える。


「ねえ」


その細い脚の持ち主に声を掛けられ、私は恐るおそる前を向いた。

その子は、ウエストまでまっすぐ伸びた艶のある黒髪を、見覚えのあるヘアクリップでサイドにまとめていた。


透けるように白くて小さな顔、髪を弄る指も華奢で、まるで陶器の人形のような……。


ピンときてしまった。

「ワカナ」さんだ。


つまり、小鳥遊くんの彼女さん……。


あのドット柄のリボン……。

妹とか言っていたの、嘘だったんだ。

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