2月からの手紙

「あなた、慶のこと好きなの?」


いきなりのストレートな質問にびっくりして、思わずスマホを落としそうになった。


マカロンとかマシュマロが声と一緒に出てきそうな、甘くて舌っ足らずの、ベビーボイス。

見た目だけじゃなく声まで可愛いなんて、とても太刀打ちできない。


小鳥遊くんをめぐって争う気なんてもともとないけど、こんな可憐な人は今まで見たことがない。

なんというか、儚げで、今にも消えてしまいそうな……。


「どうなの?」

「あっ、はい! じゃない、いいえ! ただのクラスメートですっ」


見とれて質問されていることを忘れてしまっていた。

先輩に言われるような強めの語気に思わず敬語になる。

< 130 / 194 >

この作品をシェア

pagetop