2月からの手紙
聞きたく、なかったな。
小鳥遊くんの「金がいる」理由が彼女さんだったなんて。
違う、もう婚約者さんじゃん。
正直なところ、苦手なタイプの女子だ。
というか、嫌いかも。
彼氏にあれこれさせる子って、わがままというか。
もっと、小鳥遊くんのこと考えてくれている子ならよかったのに。
あんなバイト、バレたらどうなるか……。
そういうの、好きな人なら考えてあげたりしないのかな?
そんなことを思ったところで、小鳥遊くんがそれほどまでにこのワカナさんに夢中なら、私は諦めるしかない。
「わかり……、ました。気をつけます」
「よろしくね」
唇を噛んで、ポケットの中でスマホをギュっと強く握って、涙をこらえた。
想いを伝えてもいない恋が、終わった。
学園祭までの班行動が、辛いな。
そんなことを思った。