2月からの手紙

教卓のところで必死に電話をかけている子は、ここも繋がらない、ここもダメ、と、落胆の色を強めている。


教室の奥、窓際のほうで何人かが固まっていて、女子は泣いていた。

そこに先生が歩いていくのが見えた。


「事情を説明できる?」


先生が参ったな、というような表情で男子に訊ねた。


「業者から、土日は休みだから飲食店には金曜の夕方に届けているって言われたんです」

「でも、学校にそんな大量のものが入る冷凍庫がないって話したら、土曜の8時なら届けられるって提案してもらったんです」

「なるほど、それなのに届かないということね」

「はい」


説明している男子たちがとても焦っている。

何が届かないんだろう……。

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