2月からの手紙

最後の箱を受け取った小鳥遊くんが、また深々と礼をしてトラックを見送った。

パンケーキ1箱くらい和奏さんでも持てそうなのに、彼女はその小鳥遊くんの隣をぴょこぴょこと弾むように歩いている。

普通に元気そうに見える……。


「はーい、みんな聞いて。もうすぐ会場なので段取り確認しまーす」


学園祭実行委員の子が教室の中央で声を張った。


美術係と衣装係は接客をしない。

だからこの2日間、ずっとフリー。

かわりに、放課後に壊れたり汚れたりしていないかチェックして、必要に応じて補修するのだ。

これに関しては、衣装係のほうが大変そうなので、実質はそちらを手伝うようにも言われている。


そうはいっても、衣装係の子たちからも嫌われ中なので、憂鬱なところ。

もう、楽しめる要素がない。

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