2月からの手紙

「えっと……床がね、高い音と低い音どっちかなって……当てっこしながら歩いてたんだけど、はずしちゃって」

「そういえばキュッって鳴るね。よし、私もやろっと。あ、ここ高い」

「こっちは低いよ」

「ほんとだ」


ココロも面白がって同じようにしながら歩く。
良かった。
変とか思われなかったみたい。

菜々美たちと歩く時は、旧校舎でもどこでも、おしゃべりが絶えなかったからこんなふうじゃなかった。
私は、ずっとこういうペースで歩きたかったんだと気付いた。

嬉しさと、同時に菜々美たちに対しての申し訳なさが心の中に広がる。
早くちゃんと謝りたい。

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