2月からの手紙

下がっていたテンションがジャンケン程度で上がる自分にも笑えるけど、自分と同じ高校生が作ったものだということが妙に興奮して、なんだか誇らしくもある。

ボタンはジャンケンだけでなく、握る、つまむ、握手、などがあり、本物の人間の手のように細かくは動かずとも、ボールを握ったり、服を掴んだり、ペンをつまんで持ったりと、様々なことができた。


「でもこれ、最新の技術では脳波で自分の指先まで動かせるものがありませんか?」


すごいすごいと興奮しきっている私の横で、ココロが冷静な質問をした。

え、もうそんなものまであるんだったら、こんなの要らなくない?

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