2月からの手紙

「そうなんです! よくご存じですね! 僕も大学ではそっちの研究もしたいんですよ」

「ですよね」

「でもね、そういうものは実用化、一般化にはまだ遠いんです。これはもっと単純だから、最新技術のものよりも早く、簡単に、しかも安く、いま困っている人のために実用化できるんじゃないかと思っているんです」

「なるほど、確かにそうかもしれませんね」


なんだか二人がとても大人に見えた。

自分と同じ高校生なんてさっきは思ったけど、全然違う。

将来のこととか、社会のこととか、誰かのためにできること、なんて考えたこともない自分が少し恥ずかしくなった。

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