2月からの手紙
私の小さな望みはすぐに打ち砕かれた。

教室の窓から飲食物を手渡せるように並べられたテントが、オープンカフェのように賑わっている。

その一角に、二人がいた。


私の眼は、どうしてこうもすぐに見つけてしまうのだろう。

どうして小鳥遊くんばかり、目に飛び込んでくるのだろう。

どうして、一緒にあの子まで見えてしまうのだろう。


たくさんいる、制服の群れ。

その中から瞬く間に小鳥遊くんの姿を見分けた自分を恨む。

しかも、なんであんなこと。

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