2月からの手紙
また中腰になった小鳥遊くんが私の顎をクイ、と持ち上げた。
いきなりで思わず変な声がでる。
綺麗な顔が、近い、です……っ。
「本当に憶えてないの? あんなに愛し合ったのに」
「えっ」
じっと見つめられて、そんなことを言われて。
甘い吐息が、耳を溶かす。
この雰囲気だけで、どうにかなってしまいそうなほどの色気。
とても同級生とは思えない大人っぽさ。
顎に触れるゴツゴツした手の感触に、昨日のがっしりしたワイシャツ姿のスタッフさんが重なる。
もしかして私たち本当に……?