2月からの手紙
「うわ、俺人混み苦手」
「日曜の繁華街なんてどこもこんなもんでしょ」
「日曜に来ねーもん」
小鳥遊くんはダルそう。
確かに閑散とした裏通りから表に出た途端、人多すぎ。
でも今の私はこの人混みに紛れていたい感じ。
昨日と今日の私を誰にも見られたくない。
なんというか、そんな気分。
「お、あんなのどうかな?」
通りに面した小さなアクセサリーショップのワゴンを見て、小鳥遊くんが私を呼び止めた。
「あれはダメだよ」
「なんで? 可愛いじゃん」
「アガらないでしょ、誕生日にワゴンもの貰ったって」
「そういうもんなの?」
意外。乙女心知り尽くしてそうな感じなのに。