2月からの手紙

きょろきょろしていたら、後ろから腕を強く引っ張られた。


「ったく、ストーカーかよ」

「え、え。なんで? 先に出たの小鳥遊くんのほうなのに」

「教室出るときにお前がこっち来そうだったから、ソッコー後ろのドアから入りなおしてまた出た。お前尾行に向いてないな」

「なんでそんなこと……っ」

「だって分かりやすくて面白れーんだもん」


ケタケタと小鳥遊くんが笑いながら話す声が降って来る。

この人は私をオモチャにして遊んでいるの?

恥ずかしくて顔が熱い。


「んっ」


す、っと、耳に小鳥遊くんが指を滑らせた。

くすぐったくて、体が硬直する。

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