2月からの手紙
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屋上に上がると、青空が広がっていた。
夏至を幾日か過ぎたくらいの今頃は、夏より夏らしい太陽が高い所から照り付ける。
燦々と注ぐその光が、小鳥遊くんの茶色い髪を金色に透かす。
綺麗……。
「あれ? 小鳥遊くんお弁当は?」
「……あー、忘れた」
「あ、じゃあ……」
「じゃあ慶くん、菜々美のあげるよ」
じゃあ、私の半分いる?
そう聞くより早く、菜々美が自分のお弁当箱を小鳥遊くんに差し出した。
「いいのか?」
「うん、菜々美、サラダとフルーツあればいいから」
「さんきゅな」
菜々美が、小さなケースから野菜スティックをつまみ上げて笑った。
屋上に上がると、青空が広がっていた。
夏至を幾日か過ぎたくらいの今頃は、夏より夏らしい太陽が高い所から照り付ける。
燦々と注ぐその光が、小鳥遊くんの茶色い髪を金色に透かす。
綺麗……。
「あれ? 小鳥遊くんお弁当は?」
「……あー、忘れた」
「あ、じゃあ……」
「じゃあ慶くん、菜々美のあげるよ」
じゃあ、私の半分いる?
そう聞くより早く、菜々美が自分のお弁当箱を小鳥遊くんに差し出した。
「いいのか?」
「うん、菜々美、サラダとフルーツあればいいから」
「さんきゅな」
菜々美が、小さなケースから野菜スティックをつまみ上げて笑った。