2月からの手紙

仕草も、話し方も、気遣いも。

小鳥遊くんと話す時は女の子らしさがぐっと増す。

そういう菜々美はやっぱり可愛いなと、同じ女子の私が見ても思う。


小鳥遊くんも私と話す時より口数が多くて、楽しそう。


きっと恋愛って、こういう風にするんだなって。

雑誌とかドラマからお手本が飛び出してきたような二人。


私はただ相槌を打ったり、二人が笑ったら同じように笑う。


何を口に運んでも、味がしない昼休み。


いつも昼休みは小鳥遊くんのことが気になって仕方ないから、一緒に食べたら楽しいだろうなって思ったのに。

全然楽しくなかった。


私、菜々美に嫉妬してる。

自分で何にもしないくせに、好かれようって努力してる菜々美に嫉妬なんて。

はあ、ダメダメだ、私……。


抜けるような青空を見上げて、持っていき場のない気持ちと涙が出そうになるのをこらえていたら、予鈴が鳴った。
< 57 / 194 >

この作品をシェア

pagetop