2月からの手紙
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その日はランチの時の気持ちをなんとなく引きずったまま、午後が終わった。

菜々美が嬉しそうに小鳥遊くんのことを話すのがキツくて、腹痛のフリしてトイレに籠ったりとか、我ながら情けない。


「お前さ、お盆って親の田舎帰るとかあんの?」


廊下で手を洗っていたら、小鳥遊くんが小声で話しかけてきた。


「ないよ。うちどっちも地元だからチラっと実家顔出すくらい」

「そっか。じゃあさ、花火観にいこうぜ」

「あ、じゃあ菜々美にも声掛……」

「掛けんなよ。俺はお前を誘ってんの」


あまりの唐突な誘いに驚いて、だけど二人で、ってことじゃないよねと思い直したのだけど。

その提案はあっさり阻止された。


「私と? 二人で? なんで?」


心臓が飛び跳ねてる。

こんなにドキドキしたら爆発して止まってしまいそう。


だって、お盆の花火っていったら、きっと『納涼大華祭』のことで。

そこに男女二人で行くっていうのは、もうカレカノ的なイベントだから。

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