2月からの手紙

「チケット2枚しかないから。誰にも言うなよ」

「あ、うん」

「7時半からだから、6時に夕凪橋な。浴衣着て来いよ」

「わ、わかった」


言いたい事だけ言って、小鳥遊くんはスタスタと歩いて行ってしまった。


はあ。

心臓が跳ねまくって、やっぱりうまく応えられなかった。


でも誘ってくれたってことは、少しは期待していいってことだよね?


頑張って浴衣でおしゃれして、そこで告白……。

できるかな、私。

できる気がしない……。


もうすぐやってくる期末試験のことを考えなければならないのに、私の頭の中はもう花火でいっぱいだった。


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