2月からの手紙
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シャワーのあと、ぼーっと浴衣を眺めて時間だけが無駄に過ぎてゆく。


断ろうにも、よく考えたら小鳥遊くんの連絡先を知らないのだ。


あれだけちょっかい出してくるような積極的な人が連絡先を聞いてこないのは、やっぱり私にそこまで興味がないってことなんだろうなと、また凹む。



……やっぱり、行くしかないか。

凹む自分の気持ちはさておき、約束は守らないとね。

私、脅されてるわけだし。

ブッチしたら、何を言われるか。


「やば、もうこんな時間! 顔も描いてないよ!」

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