2月からの手紙
10分で浴衣、着れるかな……。
もう普段着でもいいかな。
そんな考えの間を行ったり来たり。
気合いを入れるのは恥ずかしい、だけど私の乙女心は浴衣を着たがっている。
この矛盾はなんなんだろう。
好きになるのをやめられたら楽になるのにと思っても、やめられない。
少しでも可愛い私を見てほしいと、思ってしまう。
私は浴衣に袖を通し、前を合わせて紐でウエストを留めた。
「長さを……って、あれ? どうだったっけ」