2月からの手紙

「急いで出てきたからすごく散らかってるけど、どうぞ」

「おじゃまします」

「いいよ、言わなくて。両親、おばあちゃん家に行ってるから誰もいないよ」

「お前がいるだろ」


そう言って、私の頭にポンと手を乗せた。

ドキリ。
こういうのも心臓に悪いよ。


……と思ったら私の頭を支えにして靴を脱いでいた。


もしかして、無自覚男子なの?


それともやっぱり高度な計算?



こういうとき私はどういう反応をしたらいいの?

菜々美だったらどうするんだろう……。


「う、上だから。こっち」


恥ずかしすぎて、私は頭を下げて払いのけるようにしてから階段を上った。
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