2月からの手紙
「すげーな……鏡になってんだ」
「あ……」
ガラス張りのビルの隙間から少しだけ見える花火が、鏡のようになった壁に映っていたのだ。
欠けた花火は円になり、小さな花火も反転して数を増している。
空高くにまるで万華鏡のような美しいパノラマを作り上げていた。
「綺麗……」
「な、やっぱ最高だったろ」
「うん!」
連続で花火が打ち上がり、昼のような明るさ。
私たちは足を止めて、その幻想的な世界を眺めていた。