秘密の恋はアトリエで(前編) 続・二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
「用事って長くかかる? 良かったら一緒に帰ろうよ。別館まで一緒に行ってあげるよ」
「えっ、いいよ。そんなの」
「だって、知ってる? 原田さん。別館って、出るらしいよ」
「何が?」
「出るっていったら、幽霊に決まってるでしょ。昔、卒制に悩んだ学生がさ、自殺したんだって、あそこで。それからいろいろ目撃した人がいるって話だよ」
「北川くん、何でそんなこと知っているの?」
「姉ちゃんがここの卒業生で……だいぶ、年離れているけど。ねっ、だから、一緒に行ってあげるってば」と言ってにっこり笑った。
「いいって。用事は……長くかかるかもしれないし……」
「ちぇっ、引っかからないか。もっと怖がって『お願い、北川くん。いっしょに来てー』とでも言うかと思ったのに。原田さん、見かけによらず気が強かったりして」
「えーっ、じゃあ、嘘なの? 今の話。本当かと思ったじゃない」
「えっ、いいよ。そんなの」
「だって、知ってる? 原田さん。別館って、出るらしいよ」
「何が?」
「出るっていったら、幽霊に決まってるでしょ。昔、卒制に悩んだ学生がさ、自殺したんだって、あそこで。それからいろいろ目撃した人がいるって話だよ」
「北川くん、何でそんなこと知っているの?」
「姉ちゃんがここの卒業生で……だいぶ、年離れているけど。ねっ、だから、一緒に行ってあげるってば」と言ってにっこり笑った。
「いいって。用事は……長くかかるかもしれないし……」
「ちぇっ、引っかからないか。もっと怖がって『お願い、北川くん。いっしょに来てー』とでも言うかと思ったのに。原田さん、見かけによらず気が強かったりして」
「えーっ、じゃあ、嘘なの? 今の話。本当かと思ったじゃない」