秘密の恋はアトリエで(前編) 続・二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
 煙草の残り香がする。
 唇を離しても、靭也の腕は夏瑛を捕らえたままで、今度は首筋に唇を這わせてきた。
 夏瑛の身体がぞくりと震える。

「……ここに座って」そう言われ、作業台に座らされた。
 靭也はじっと見つめたまま、ほっそりとした指で夏瑛の唇をなぞる。
 そうされただけで、体の芯を稲妻が駆け抜ける。

「うん、その顔だ」
 満足そうに言うと、そのまま首筋から肩へ指を滑らせる。
 そして、夏瑛の目の前にひざまずき、スカートのすそに手をかけた。

「靭……にいちゃん」 

 白い内腿が(あら)わになる。
 夏瑛の頬は羞恥で真っ赤に染まった。
 靭也はそこに唇を寄せてきた。

「……あっ」

 ピリッした刺激とともに紅色の刻印がきざまれた。
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