秘密の恋はアトリエで(前編) 続・二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
「聞いて! 1時間目のデッサンの授業、秋庭先生が出張で、代行が沢渡先生だって!」
 とたんに、教室にいた女子たちが色めき立った。
 
「よかったあー。昨日バイトで遅かったから、さぼろうかと思ってたんだけど、来てよかった!」

 クラスの女子たちの浮かれぶりとは裏腹に夏瑛は戸惑っていた。
 もしかしたら、靭也の授業を受けることがあるかもとは思っていたが、
 こんなに早くその機会が訪れるとは思っていなかった。

 そうこうするうちに教室に靭也が入ってきた。
 女子の目が一斉に靭也に向かう。
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