秘密の恋はアトリエで(前編) 続・二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
「資格って何? 恋するのに資格も理屈もいらないよ。恋って、ただ、この人と一緒に居たいって、身体中の細胞が叫びだしてどうしようもなくなっちゃうことでしょ」
「そう……だけど」
「ああ、もう! うだうだ言ってないで、したいんだったら、夏瑛から靭先生にアプローチすればいいじゃん」
「えっ? む、無理だよ。そんなの」
「なんでよ。別にいつでも男がリードしなきゃいけないってことないんだよ。実はあたしが空手を始めたのは、女がいつも下手に出てるのが嫌だったからなんだ。とにかく強くなりたくて。力で支配されるなんてくやしいし。どんなことも自分が主導権を取らないと気が済まないからさ」
はー、すごいな、美岬は。
美岬だったらこんな不安に脅かされることなんてないんだろうと、彼女の横顔を見つめながら考えていた。
「そう……だけど」
「ああ、もう! うだうだ言ってないで、したいんだったら、夏瑛から靭先生にアプローチすればいいじゃん」
「えっ? む、無理だよ。そんなの」
「なんでよ。別にいつでも男がリードしなきゃいけないってことないんだよ。実はあたしが空手を始めたのは、女がいつも下手に出てるのが嫌だったからなんだ。とにかく強くなりたくて。力で支配されるなんてくやしいし。どんなことも自分が主導権を取らないと気が済まないからさ」
はー、すごいな、美岬は。
美岬だったらこんな不安に脅かされることなんてないんだろうと、彼女の横顔を見つめながら考えていた。