秘密の恋はアトリエで(前編) 続・二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
 靭也とふたりで買い物に行った翌日の朝、教室に入ると、数人の女子が集まっていた。

「えーっ、ショックー」
「本当に見たの?」
「うん、この目で確かに」
「あー、夢が壊れちゃったよ」
「夢って、何? 恐れ多くも靭先生と付きあえるとでも思ってたの?」

 靭先生? 靭也の噂話?

「絶対彼女だよ。だって――」
 昨日、靭兄ちゃんと一緒にいるところを誰かに見られていたのかな……。

「ああ、美岬。ちょっと聞いてよ」

 話をしていたうちのひとりが美岬と夏瑛に気づいて声をかけてきた。

「何? なんかあった?」美岬が知美を促す。
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