秘密の恋はアトリエで(前編) 続・二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
「靭先生がデートしてるとこを目撃したんだって、知ちゃんが」
「デート? どこでよ?」
 美岬がみんなに気づかれないように、夏瑛どうする? と言った顔で見つめてくる。

「渋谷のオープンカフェだよ。昨日の昼の2時ごろ。あれだけ麗しいカップルがいたら、知らない人だって思わずそっちに目がいっちゃうよ」

(渋谷の……カフェ?)

「ふーん。ねえ、もう少し話聞かせてよ」

「えーと、女の人は黒髪ストレートで腰ぐらいまで伸ばしてて、ハイブランドっぽいスーツを着こなしてるキャリア女性って感じかな。年は靭先生と同じか、もう少し上ぐらい。しばらくカフェで話して、それから出てったんだけど」
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