秘密の恋はアトリエで(前編) 続・二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
「もう、どよーんとしちゃって。そんな気弱じゃだめだったら。もし事実だったら、一発おみまいしてそんな下衆野郎はこっちから願い下げだって言ってやったらいいじゃん!」

「でも……」

「とにかく。昼ごはんさっさと食べて、靭先生のところに一緒に行こうよ」

「ううん、それは無理だよ。ここは学校だし。でもありがとう、美岬。自分のことみたいに心配してくれて。その気持ちはとってもうれしい」

「……ちゃんと、靭先生と話せる?」
「うん」

「じゃあ、あたしにもちゃんと報告してよ」
「うん、わかった」

 靭也は浮気なんてしない。

 そんな人でないことはよくわかっている。

 でも、密かに恐れていたように、自分より好きな人ができたのかもしれない……。

 それはあり得ることだ。夏瑛の頭に不安の霧が立ち込める。


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