秘密の恋はアトリエで(前編) 続・二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
「ところで、靭先生に話はしたの?」

「……今日、会ったら話すつもり」
 美岬のほうは見ずに、小声で答えた。

「どっか態度が違ったりする? 微妙によそよそしくなったとか」

「ううん、全然。いつも通りだよ」

「じゃあ、やっぱり誤解だよ。何か訳があるはず。早く靭先生に話してスッキリしちゃいなよ」

 美岬が夏瑛の瞳をじっと見つめて、言った。

「夏瑛が元気ないと、あたしもつまんないんだよね。なんだか」

「うん、ごめんね……」

「さて、さっさと終わらせちゃおう!」

 美岬はふたたび玉ねぎやジャガイモと格闘をはじめた。
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