秘密の恋はアトリエで(前編) 続・二度目のキスは蜂蜜のように甘く蕩けて
 バシャッ!

 キャーッ!!! 
 
 周りにいたひとが悲鳴をあげた。

 何があったのか、急いで側に行くと、美岬が靭也の顔に赤ワインをぶちまけていた。

「……えっ?」

 入ってくるなりワインを浴びせられた靭也は何がなんだかわからないという顔をした。

「いったい、どういうつもりですか! 平気で夏瑛を傷つけるようなことするなんて!!!」

 美岬が靭也をどなった。

 あまりの剣幕(けんまく)に靭也も文句を言うのを忘れてしまったようだった。

「夏瑛を……どういうこと?」

「いくら夏瑛がおとなしいからって、していいことと悪いことがあるでしょ! まったく!」

「美岬! やめて」

「今日、夏瑛がここに来るのをわかってるのに、他の女と一緒に来るなんて、もう、信じられない!」
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