今から恋愛はじめます。
加えて、俺らの親がそれを意識させるように言い始めたからってのもある。
「まお、かりんちゃんは女の子で危ないんだから、帰り道とか暗かったら一緒に帰ってくるのよ」
とか、
「まおくん、女の子だとこれ重くて持てないらしくて、悪いんだけどかりんの分も持ってあげてくれないかしら」
とか。
自分の母親には強制的な感じで言われるし、ましてや幼なじみのお母さんに言われたりしたら、俺は嫌だなんて言えない。
そんなわけで、結局のところ俺には拒否権なんてあってないようなもんだったから、全部言われる通りにしてきた。
それが、
『俺は"男"なんだから、"女"のかりんを守らなければいけない』
っていう刷り込みに自然になったんだと思う。
そんな風に、互いの親の影響もあって、中学時代、クラスは一度も同じにならなかったけど、話さない日は無いってくらいに俺らは一緒にいた。
まあまあ、仲はいい方だったんじゃないかな。