優しすぎてずるい。
「ごめん。言わせたくて、ちょっと攻めた発言した」
頭をかいて、でもね。彼はいたずらげに笑う。
「可愛いって、ほんとだよ」
あぁ、ずるい。
「優しいところが。笑った顔も、好きなことで笑い合えるのも。優しすぎるところだって、含めて……」
アニメの声優さんがのせたセリフみたいに、練習を積み重ねてきたみたいに、するすると言葉があふれて。
「好き」
届いて、って。心の中で叫びながら、君に伝えよう、って。