優しすぎてずるい。







「雪那」

「ん〜」

「雪那ってば」

諒介(りょうすけ)が、急かす。



「待って、あと2分!」

「長すぎるだろ」って、ふは、と笑う彼が好き。目がなくなっちゃうような明るさと幼さ。小さくえくぼが浮かぶのも、知ってる。



「じゃあ、俺のちょっとだけわけてあげる」

「わっ、ほんと?」

「ひとくちね」



ファミレスで、向かい合って。ベルを鳴らした彼が、店員さんに注文をする。私の分までさらっと頼んでくれる優しさに、甘えてしまう。

お願いします、とか。ありがとうございます、とか。敬語を欠かさないところが好き。


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