優しすぎてずるい。
「雪那はさ、」
急にこっちを見て、タメをつかうのが。下がり眉で笑うのが。ずるい。
「どう思った?最新話」
「まさかショウセイが裏切るとは思ってなかった」
「ほんとそれ。ショウセイ好きだったのになぁ」
「敵役でもかっこいいよね」
「だから憎めない」
私たちは、アニメの話をする。なんでこういう仲になったかというと、スクバにショウセイのキーホルダーをつけているところを見つけたから。
『あれ、それってショウセイ?』
『……坂、わかるの?』
『わかるよ!好き!』
なーんてことから、始まったこの関係。1ヵ月前から、ぐっと近づいた。