陰の王子様



「まず、招待客が多すぎなんだよなー。王家主催だったら分かるけどさ。王子個人のパーティーにあんな呼ばなくていいよね?それに無茶なことばっかり言うし。シンアもそう思わない?」



「…正直言って面倒くさい。」



一応声を潜めながらアキにだけ聞こえるように返答する。



「だよなー。本当にあんのかな?」


王子とは、ウィザリア王国の第一王子
自分が王族であり、第一王子なんだと良く言えば自分の立場を良く理解している。

が、理解しているからこそ、その立場を大いに使い、結果被害を被る人もたくさんいる。



こんな話は王家の人間がいないからこそできる会話。
もちろん、騎士団の団長やメイド長などの偉い人たちもここには滅多に来ない。



そんな不安が使用人や騎士たちに広まった、あの日から数日後。






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