陰の王子様
ここのところ、城の雰囲気が悪すぎる。
不穏な空気を皆感じとっているのだろう。
「イオ様、そろそろ休憩を挟む時間ですが。」
「ああ、分かった。少し寝るから下がっていいぞ。」
「はぁ…、日中はもちろん、夜もほとんど寝てないこと知ってるんですから。……気休め程度にお茶を入れておきます。」
「悪いな。…俺がやるのが1番手っ取り早いからな。」
異母兄弟の兄が仕事をしなくなって数週間
俺に回せと言っているのか、第一王子宛の仕事が全部俺に来ている。
前からあまり仕事はしていなかったが、あれでも第一王子
浅い仕事がまあまあある。