陰の王子様
畳まれた布を慎重に開き、中の内容に息を飲む。
「ジェハ、ジンを呼んでくれ。ローガンとサンチェも頼む。」
険しい主の表情に何かを察したジェハは急いで3人を呼びに向かった。
「王都にいるのか。……よく会えたな、ヴィル」
視線の先にいるヴィルは、いい仕事をしたと言わんばかりに姿勢よく窓際に止まっている。
鷹の飼い主様
王の身が危険です。
いつかは分かりませんが、王は第一王子である、クロード殿下の手によって死に至る未来がくると思われます。
信じることのできない内容だと思います。
ですが、市民の私には王を守りたくとも、守る術がありません。
この鷹の飼い主であるあなた様なら、王を守ってくれるかもしれないと思い、鷹に託しました。
このような重大な事を託してしまい申し訳ありません。