陰の王子様
「ほらっ!すっげー金持ちそうだろ?」
手を引かれながら、畑へと走り、見えた先にはタセンの言う通り、貴族みたいな人たちがいた。
人の良い人たちなのか、私たちに囲まれているのにも関わらず、笑って話していた。
その雰囲気だからか、取り囲む皆も砕けた口調で話していた。
「そのドレスものすごく綺麗です!」
「やっぱり舞踏会とかは特別な空間ですか!?」
「そうですわね。素敵な殿方との出会いが期待されますから。」
「「キャー!!」」
「羨ましいです!」
特に年頃の女の子たちは憧れを持っている。
私は、あのオレリアとのパーティーを思い出し、苦笑する。
「んふふ、皆さん若いんだもの。これから素敵な出会いがありますわ。」