陰の王子様




切羽詰まる声にバタバタと階段を上ってくる足音とともに、ジョセフがやってきた。



「どうしたっ?」


「レティシアちゃんの様子がおかしいの!苦しそうだわ!」



転がるようにアメリアの隣に行き、レティシアを覗き込む。


そこには苦しそうに呼吸をするレティシア
体も熱っぽく、汗をかいている。




「医者のおじいさん呼んでくる。あ………いや、今から馬飛ばしてボニーに来てもらおう。」


「ボニーさん…、うん、そうね。何かあったらいけないわ。それまでレティシアちゃんは任せて。」


「頼んだよアメリア。」

「はい。」












夜が深くなり、日をまたいだ頃、ジョセフがボニーを連れて戻ってきた。





< 162 / 383 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop