陰の王子様
切羽詰まる声にバタバタと階段を上ってくる足音とともに、ジョセフがやってきた。
「どうしたっ?」
「レティシアちゃんの様子がおかしいの!苦しそうだわ!」
転がるようにアメリアの隣に行き、レティシアを覗き込む。
そこには苦しそうに呼吸をするレティシア
体も熱っぽく、汗をかいている。
「医者のおじいさん呼んでくる。あ………いや、今から馬飛ばしてボニーに来てもらおう。」
「ボニーさん…、うん、そうね。何かあったらいけないわ。それまでレティシアちゃんは任せて。」
「頼んだよアメリア。」
「はい。」
夜が深くなり、日をまたいだ頃、ジョセフがボニーを連れて戻ってきた。