陰の王子様
「レティシアちゃん……。お願い、目を開けて…?」
レティシアの容態が悪くなってから3日が経った。
未だにレティシアは苦しそうに呼吸をしており、目も覚まさず、熱もある。
「お邪魔します。どうですか?」
そっとやって来たのはボニー
綺麗な青年だが、ここ数日の処置と原因究明で休息が取れていないようだ。
「目を開けてくれません。…どうしましょう。」
アメリアもつきっきりで看病していたため、疲れが溜まっているようだ。
「アメリアさん、僕が変わりますので。お休みになってください。…この子は、必ず僕が助けます。」
最悪の展開になってはならない。
「うむ、おおかた改善に向かっとるの。」
「それは、良かった。…ありがとうございます。」
診察経過が書かれた紙を見ながら話すナバ
「あの若いののおかげじゃ。わしはあそこまで植物やらに詳しくないからの。」
ボニーは子供たちの症状からナバが想像した通り、植物が原因であると突き止めた。