陰の王子様
意識がないと報告があってから3日が過ぎた。
そう考えるとじっとしていられず、溜まっている書類のことなどどうでもよくなる。
「ジェハ、書庫に行く。」
「はい。」
ずんずん歩いていく主
彼が放り投げた書類を整えてから、足早に進む背中を追った。
天井まである本棚にはびっしりと本が並んでいる。
ここに来るのは何年ぶりだろうか。
遠い昔の記憶を思い出しながら、広い書庫を移動する。
おそらく本を見れば出てくるような毒物ではないだろう。
そういった毒の解毒薬は既に試してあるはずだ。
書庫の1番奥
鍵がかけられているその小部屋
そこは限られた人物のみ入室が許されている場所
ジェハは入れないため、近くで待機させる。