陰の王子様
ガチャ!
「……。」
開いてた…?
もう一度鍵を回すと軽い音が響きわたり、ゆっくりとドアを開ける。
「ん?…………おう、久しぶりじゃな。」
「……お久しぶりです。調べ事ですか。」
「そうじゃ。あ〜、ちゃんとルシア王には許可とってあるぞ?」
ハッハと笑って、こっちに歩いてくる老人
数年前までここ王宮に勤めていた医者だ。
腕は一流であるが、掴めない性格が少し面倒である。
「何か、ナバ殿」
ニヤニヤしながら見上げてくる。
「…聞いておるぞ、なかなか手の回る奴だ。男はそうでなくてはな。」
……そうか。
その言葉だけで言いたいことが分かった。
確か、今カナヤにいるとジョセフ殿が言っていたな。
なら…、