陰の王子様
「シンアさん!!」
馬たちをブラッシングしているとパタパタと足音が聞こえてきた。
「スズミさん」
「はい!スズミです!お久しぶりですね!」
ニコニコ笑う彼女はメイドのスズミさん
明るく人当たりの良い彼女は、騎士団の中でも良く名前がでる人気者だ。
「久しぶり。元気そうで良かったよ。」
「本当に久しぶりですよー!お互いバタバタしてましたからね。」
そう言い、沈黙したスズミさんを不思議に思い、ブラッシングをしていた手を止める。
すると彼女は自分を見つめていて、その少し悲しそうな顔から何を思うのか伝わった。
「そんなに心配?大丈夫。スズミさんもいるし。」
でしょ?と問いかければ「もちろんですよ!!」と良い返事が返ってきた。