陰の王子様
「どういうことだ。死んだのか。」
「その問いには答えません。」
イオの答えに頭にきたクロードは、
「言え。あいつは俺の側室だ。」
大臣たちは困惑する。
息子の側室に母親が毒物を与えたのかと。
ツカツカとイオの側まで大股で歩いていくと、
「未来予知ができる女を死なせたのか!?」
イオの胸ぐらを掴みながら、怒鳴り声をあげる。
「…あなたはその力が欲しかった。だから、彼女との結婚に了承しない彼女の両親と里を襲撃した。」
「ロベール王国はウィザリアの王子が自国の里を襲撃したことを隠蔽した。」
「……戯言だな。」
「証人を。」
未だクロードに胸ぐらを掴まれたまま、イオは証人を呼んだ。
部屋にやって来たのは、城のメイド服を着た女だった。