陰の王子様




「あとはまぁ、我が国の情報をロベール王国の王女に流したとか。色々ありますが、国の中枢の情報を第一王子が知る由もないのでご心配には及ばないと思われます。」



「随分大口叩いてるなサンチェ。俺が知らないことがあるとでも言うのか。」



「もちろん。あなたは女と金にしか興味がない。そんな男には子供でもできる仕事しか回してないのですよ。遠い昔からね。」




その言葉にクロードは腰にかけている剣を抜く。

「裏切り者は死ぬのみだ。」


「お、僕とやります??良いですよ〜。」


緊張感のない声で剣を抜いたサンチェ



「サンチェ様、私にも剣をお貸しください。」


「いやいや、何言ってんの貸さないよ?君は安全なところにいて。」


ほらほらと強気なスズミを移動するよう促す。

その様子にクロードは余計腹を立てる。



飛ぶようにサンチェのもとに駆けていき、大きく剣を振る。



「最近、ベッドでしか過ごしていない男に負けるわけないですよ。」



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