陰の王子様
ひと通りお世話を終え、
王城まで彼女と一緒に向かった。
「ちゃんとご飯は食べていますか!?騎士団の訓練は厳しいと知っているので、心配です!…それから、眠れていますか?」
並んで歩く彼女が目の前に立ち、そう聞く。
「うん。大丈夫。」
眠るというより、目を瞑り、薄く意識を保ってる感じだが、彼女には黙っておく。
「そう、ですか!……いや、うーん。少しでも休めているのなら良かったです。」
どうやら嘘がバレてるらしい。
さすがの洞察力に感服する。
「あ、そういえば…、招待客リスト見ましたか?」
「いや、見てないけど…どうしたんですか?」
「見間違いじゃないと思うんですけど…。リストの中にオレリア・ロベールの名前が。」