陰の王子様



ひと通りお世話を終え、
王城まで彼女と一緒に向かった。







「ちゃんとご飯は食べていますか!?騎士団の訓練は厳しいと知っているので、心配です!…それから、眠れていますか?」



並んで歩く彼女が目の前に立ち、そう聞く。




「うん。大丈夫。」


眠るというより、目を瞑り、薄く意識を保ってる感じだが、彼女には黙っておく。




「そう、ですか!……いや、うーん。少しでも休めているのなら良かったです。」



どうやら嘘がバレてるらしい。

さすがの洞察力に感服する。





「あ、そういえば…、招待客リスト見ましたか?」


「いや、見てないけど…どうしたんですか?」



「見間違いじゃないと思うんですけど…。リストの中にオレリア・ロベールの名前が。」




< 19 / 383 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop