陰の王子様
王の自室を出て、執務室へローガンと向かう。
「そっちは無事終わったか?」
「はい。少し手間がかかりましたが、全員捕らえ、城の牢に。」
ローガンにはクロードの私兵たちを捕らえる任務を与えていた。
クロードの私兵は、ある1つの街全部がそうだったため、ある程度時間がかかると思っていた。
「クロード様とエレン様はサンチェが?」
「ああ、あの塔に連れて行った。」
あの塔とは、城の敷地内にひっそり建っている塔
遠い昔に過ちを犯した王族を閉じ込めておく建物で、窓はなく、ジメジメした薄暗いところだ。
一生出ることはできないだろう。
「ロベール王国はどうしますか。」
「明日にでもロベールに向かう。時間はかけすぎなくらいかけてるからな。今まで積み上げてきた証拠を突きつけてやろう。」
さっき話した証拠はほんの一部
もっと具体的なものもあれば、ロベールの悪事に繋がるものもある。
「…あとは、無事目覚めてくれるといいが…。」