陰の王子様
6
ずっと何かに追われてる。
真っ暗な空間を1人でひたすらに走り続ける。
すると、突然足元に光がついた。
それは一定の間隔を開けて、ぽつんぽつんと、まるで私を導くように光っていく。
後ろの足音が迫っている中、その光だけを追って行くと、やがて足音は聞こえなくなり、光の続きがなくなると、目の前に明るい空間が見えた。
そこは今まで走ってきた真っ暗な空間とは違い、白い空間だった。
心なしか温かくも感じ、ホッとする。
座り込み、走った疲れでいつの間にか眠ったようだ。
気づくと外にいた。
緑に囲まれたところで笑い合っている。
可愛らしい笑い声が響き、それにつられて自分も笑っている。
…それに、隣には誰かが座っている。
ぼんやりとしか見えない視界
残念に思いながらも、この空間は幸せだということだけは、はっきり分かる。