陰の王子様
「………!レ……ん!」
……っ、
瞼が重い…。
「レティシアちゃん!!」
視界がはっきりし、目の前に広がるのはアメリアさんの泣き顔
「良かったっ!!っっ本当に良かった!!」
優しく抱きつかれ、理解が追いつかない。
「レティシア、体はどこも痛くないか?」
体…
アメリアさんの横に座って、私を覗き込むジョセフさん
「………すみません、私、何か、」
「寝込んでいたんだ。」
寝込むようなことをしたのか…。
思い出そうとするが、眠気が襲ってくる。
「…私、何したんでしょう。……すみません。」
「レティシアは何も悪くない。まだゆっくり寝てなさい。」
その言葉を聞いて、私の瞼はもう一度重く閉じた。