陰の王子様
「そうそう!!」
考えられない…。
何か事情があったのだろうか。
ジンの仕事している姿は、見たことないと言っていいぐらいない。
でも、たまに騎士団にやって来て混ざっている時は身体能力抜群だし、頭も良い感じがしていたから、優秀な人なんだなと思っていた。
…楽しそうに笑いながら1人で話してるジンは、全く落ち込んだ感じとかはない。
言えない事情だろうか。
私はそこに踏み込むまで、ジンと仲が良いとは思っていない。
……何も触れない方がいいな。
「ジンさーーん!!!」
「ん?どうしたー?」
ジンがカナヤに来て3日
ジンはあっという間に溶け込んだ。
人との距離の縮め方が異常に上手い上、あの顔の良さ。
突然現れた美青年に女の子たちは、一気に彼の虜になった。
…ちなみに、私がシンアではなく、レティシアだということはすぐにバレ、女だということも打ち明けるしかなかった。