陰の王子様
ジンの部屋に入っても、鷹は私の肩で大人しくしてる。
ジンは部屋に入るなり、さっきこの子の足から取った紙を広げて中を読んでいる。
右肩の限界を感じながら、今度は返事を書いているジンを眺める。
「…!ジン!この子の飼い主さんに私も手紙書いていい!?」
「…別に、それは良いけど。……なに、飼い主のこと知ってんの?」
「知らないけど、この間お世話になったんだ。頼み事を一方的にしたから、それを謝ってお礼言いたい。」
「んーーーー、まぁ、いっか。…あっちも嬉しいだろうし。」
そう言うと鷹を私の肩から窓際のところに連れて行ってくれ、紙と書くものを貸してくれた。
「ありがとうジン!」
『突然すみません。私、この間変な頼み事をした者です。あの時は本当にありがとうございました。今、国の悪い話を聞かないので、貴方様が私の話を信じてくださったと感じています。本当にありがとうございました。』